HOT ROD 技術編 Fabrication トリプル
'60sの無骨な迄のボッバーが'70sに入ると廃れ始めてスマートな外装がHot Rod派の製作により
台頭して来ました。とりわけ四輪Hot Rodのメッカ Friscoからは革新的なアイデアがキラ星の如く
生まれ時代をリードして行きます。
フロントフォークは顔なので従来のフレームにぶつけてストッパーとするのは悩ましいポイント
で真っ先に登場したのはステムシャフト中心に5センチ程の角材を溶接してフレームネック左右
からボルトをタップ切りで角材に当てるブラインドストッパーでした。
私も'70 半ばにこれを知り '55 FLストローカーに導入しました。当時は自己満足の世界でしたが
Fabrication が自分に芽生えた門出の方が今となっては懐かしく思います。
実際のトリプルはバスに激突してもう残って居ませんが上の黒い '80sに使用して居たミッドの
ステムに磁石で付けて参考とします。しかしこの方式の欠点は正確なキレ角が出せなかった点でした。
'80sに入ると Hot Rod 天国 SWEDENよりニューカマーが登場します。
ボトムツリーにピンでSUS製ロックプレートを圧入留してネックカップがストッパーになる秀逸なデザイン。
利点は衝撃を8本のピンで分散させるので信頼度が増す事です。
アメリカも負けて居ません。今は無きミルウォーキー・アイアンが自社オリジナル
としてSUS製ロックプレート&ネックカップを発表して市場を席捲しました。
然しながらツメが甘くストッパーが当たる部分が薄い為破壊に結びついて長持ちしないリスクが残りました。
現在はイミテーションの同タイプが沢山出回り混乱気味になって居ます。
'90s になるとSWEDEN Tole は新しいソフテールフレームに対応するストッパーを意欲的に発表その他 FXR用も。
ストッパーだけで無くインナーチューブの固定も進化しました。
純正の様に割りを入れてボルトで締め上げるのでは無くスマートな模索がHot Rod派から続いておりアメリカモーター文化の高さを示して居ます。
スライドカラーをテーパー加工してチューブホルダーとする方式から最近では驚きの発想が技術の進歩に伴い生まれて居ます。
一例を紹介しますので発想の参考となれば嬉しいです。
フレームネックのテーパーベアリングレースを利用してチューブアダプターを締め上げる天才的なアイデアで脱帽します。
ストッパーはステムシャフトに帯板を貫通させてバタフライでフレームネック内で止まるシステムで恐らく誰にも見破られないでしょう。
究極のブラインドストッパーで'70sに自分で試した方式の進化版と言えるでしょう。