躍動の刻

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H-D技術陣は先行発売したコーンモーターの懸念された耐久性に対し大幅な設計見直しを計り '73 にリニューアルを発表します。
クランクシャフトは全面的変更で大径化したテーパー部はかつて無い程の強度を得てフライホィールも軽く高速時代に適した60%のバランスファクター、新型オイルポンプによる持久力アップ、そして装備ではアーリーシャベルから不満の高まった制動力に対し前後ディスクブレーキを採用して更に華々しいオプション King of the Hiway のドレスアップを施す事で一般の注目も引き付ける販売戦略に出ます。
これらは全てH-D社デザイン部門のトップであり重役でもある Willy G の改革案が骨子になっていました。
Willy G はボートテール FX & XL を皮切りにセンセーショナルな車種を次々に生み出し副社長迄登りましたがプライベートでは大のホットロッド、チョッパーファンでもありました。
彼の '34 Chevy Sedan Delivery (ライトバンの始祖)はガンメタのチョップトップにヘッドライトはFat Boy, テールライトは両側にトゥームストーン、エキゾーストエンドにはフィッシュテールと云った何とも微笑ましいマニアぶりです。地元ミシガンのカーショーには '40 マーキュリークーペを個人出展しますがバレ々で人気者でした。当然ハーレーも沢山所有ですが私のお気に入りは '70s スタイルのナックルチョッパーで少しだけ長いスプリンガーにハーストのディスクで自然体のカスタムです。
このコーナーを閲覧して下さる諸兄にはホットロッドとハーレーが共に歩んだファミリーにも等しい関係なのが判って頂けたと思います。
チョッパーの呼称も '70前半では雑誌が分類で使用しましたが当事者達は敢えて使いませんでした。当時はベトナム戦争末期の反戦ムードが高まる時勢でチョッパーはベトナムに大量投入された軍用ヘリ ヒューイの通称でした。
ヒューイ独特な回転ローター風切り音が chop! chop! と聞こえたからで現在でも POLICE や FBI は映画でヘリコプターでは無く chopper と呼んでます。
呼び名はどうでも自己主張の強い表現法となったホットロッド・ハーレーはよりスマートに進化していきます。カスタムペイント、ピンストライプから金属表面の加工に個性を演出する為既に使われなくなったオールドスクールを復活させノスタルジックな色合いを添えてセンスに磨きをかけました。この部分は西洋文化の厚みに敵わないと痛感します。教育程度、貧富差に関係なく無意識的に洗練されたデザインの創造性を突きつけられます。
'70s 後半にフリスコを席巻した Engravinq のルディ・ペナもそうでした。アルミ地にフリーハンドの妙技で流れる如くフローレンティン模様と呼ばれる草花を片手で彫るアートでアーレンネス、BACC 等がこぞって用いました。
古くはギリシャ文明フィレンツェに端を発する模様がその後英国で陶器ボーンチャイナの絵皿を飾りやがてNY のアールデコの作品を賑わしてから更なる時代を経てホットロッドのダッシュ、チョッパーのE/g を化粧するとは神のみぞ知る永遠の鎖でしょう。

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